【新唐人2013年1月7日付ニュース】1月4日、中国河南省蘭考県の孤児や捨て子を引き取って育てていた家庭収養院で火災が発生し、7人が死亡しました。この収養院は地元市民から“愛心ママ”と呼ばれる袁厉害(えんれいがい)さんの自宅でしたが、袁さんは現在、子供を利用して金儲けをしたとして、地元政府の取調べを受けています。
1月4日午前8時ごろ、河南省蘭考県の愛心ママ・袁さんが自力で建てた2階建ての建物から突然火災が発生。消火後の現場からは7体の遺体が発見されました。袁さんが育てていた子供6人と障害者の青年でした。ほとんどが手足の不自由な障害者だったため、火事の中で命を落としたのでした。他にも、10歳前後の児童一人がやけどを負いました。
今年46歳の袁さんは、1986年から25年間、合わせて100人以上の捨て子を引き取り、露天の商売でこれらの子供たちを育てていました。情報によると、火災になる前まで20人近い子供たちを育てていて、火災発生時、袁さんは数人の子供たちを学校に送る途中でした。
事故発生後、中国各界から疑問の声が上がると、地元政府とメディアはすぐさま矛先(ほここさき)を袁さんに向けました。袁さんには現在、捨て子を引き取る資格がない上、子供たちを利用して政府から生活費を騙し取ったとの容疑がかけられています。
河南省開封市民生局福利慈善課 職員
「公民が勝手に捨て子を引き取ることは国から許されていません。捨て子を発見したらまず通報し、公安機関が調査し、生みの親が見つからない場合、福利院に送らないといけません」
記者:(袁厉害のケースは引き取り資格がありますか)
「これは許されていません」
しかし、事故発生前、地元メディアは何度も袁さんのことを報道し、称賛。地元民生部門も袁さんの引取りを黙認していました。蘭考県には福利院がないため、愛心ママ・袁さんの事が広く伝わると、わざわざ袁さんの自宅の前に子供をおいて帰る人も現れ、また地元警察までが拾った捨て子を袁さんの自宅に送り届けていました。
愛心ママ・袁厉害さん
「子供が捨てられたのを見ると可哀想に思い、私も子供が好きなので、捨て子を拾ってきて、育てました。路上で凍死するよりはいいかと」
2生活補助金を騙し取るためとの指摘に対し、袁さんは、今育てている20人の子供たちの生活費として3ヶ月ごとに4000元受け取るものの、子供一人に毎月かかる生活費は4~500元で、このお金だけではとうてい足りないと訴えます。
また、健康な子供を裕福な家庭に売って、金儲けをしているとの告発に対しては、袁さんは、確かに健康な子供を裕福な家庭に送ったことはあったが、“子供を育てる金がなくて困っていた時、あなたたちはどこにいたのか”と涙ながらに訴えました。
一方、地元政府はこれらの孤児たちを救助しなかったのは、強制的に法を執行できる権利がなかったからだと言い訳しています。これに対して、ネットユーザーらは、“墓を掘り起し、平らにするのは数分で決定した。誰が政府の法の執行を阻止できるのか?”、“事故発生前は救助の責任を庶民に押し付け、事故が発生すると、また事故の責任を庶民に押し付ける。こんな道理がどこにあるのか”と憤慨します。
新唐人テレビがお伝えしました。
(翻訳/坂本 ナレーター/村上 映像編集/工)